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頑張れ、ヤンキー! [リポート]

現在の星条旗。独立13州の星条旗。星条旗のデザイン変遷の切手シート。
紅茶。独立宣言書のレプリカ。1ドル紙幣。そして『ヤンキー・ドゥードル』
アメリカ独立革命の授業で教室に持っていくものは以上。

軽快な曲調の『ヤンキー・ドゥードル』は、もともとイギリス軍が植民地アメリカの
人々を馬鹿にして歌ったものです。ただ曲の起源ははっきりしません。
「ヤンキー」はインディアン(正しくはネイティヴ・アメリカンですね)の言葉で
卑怯者を意味し、「ドゥードル」も do little (まぬけ野郎)という侮辱語。
江波戸昭の『世界の民謡めぐり』によれば、かつてヴァージニアの植民者が
インディアンと戦っていた時、いっこうに手を貸してくれないニュー・イングランド
(いわゆる北部)の人々のことを「ヤンキー」と呼んだとか。

独立戦争時、植民地側は武器や装備も貧弱で、兵士は「ミニットマン」
(1分で支度ができる。それくらい装備がなかった)と呼ばれていましたから、
「ヤンキー、頑張れよ!その調子、足並み揃えて、そうすりゃ女の子にも
もてるぞ・・・」とイギリス兵からからかわれるのも無理はありません。

Yankee Doodle went to town,
a-riding on a pony;
Stuck a feather in his cap
and called it macaroni.
[ Chorus ]
Yankee Doodle Keep it up,
Yankee doodle dandy.
Mind the music and the step .
And with the girls be handy!

Father and I went down to camp
along with Captain Good-win,
and There we saw the men and
boys as thick as hasty puddin !
[ Chorus ]

There was Colonel Washington,
upon a strapping stallion,
A-giving orders to his men,
I guess there was a million.
[ Chorus ]

しかしながら、1775年4月のレキシントン・コンコードの戦いでイギリス軍と
対等に戦った植民地軍は、その後ジョージ=ワシントンを総司令官として
7年もの間苦しい独立戦争を戦い抜き、ついに1781年10月にヨークタウン
の戦いで決定的な勝利をあげました。この時、高らかに歌われたのが
『ヤンキー・ドゥードル』です。もうこの歌はすっかり勝利の歌、アメリカ人の
愛国歌になっていました。
1783年のパリ条約でアメリカ合衆国は正式に独立が承認されます。

そして、この歌、日本では『アルプス一万尺』という替え歌に姿を変えます。
 ♪アルプス一万尺  小槍の上で  アルペン踊りを  さあ踊りましょ
  ランラランラ ランランラ ランラランラ ランランラ・・・
京都大学の山岳部の学生が作詞し、9番まで歌詞があるらしいのですが、
なぜ『ヤンキー・ドゥードル』のメロディが使われたのか・・・。

またこのメロディは、中国の歴代王朝の覚え歌にもなっています。
♪殷周東周春秋戦国   秦前漢新後漢・・・    

歌い手が変わり、メロディが海を渡り、歌詞が変わっても、伝えられていく。
天国にいる作曲者は、まさかこんなことになっているとは、
と思っているでしょうか?

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