19×× ・・・Ⅰ [リポート]
実はフランス革命と音楽の話を書くはずでした。
前回、モーツァルトとマリー=アントワネットの人生の軌跡が、一瞬重なった
という話をしたので、フランス革命と「ラ・マルセイエーズ」でも取り上げ
ようかと思いながら、ぶらっと書店に立ち寄ったまではよかった・・・。
本屋さん探検は、私にとってはスリルとサンスペンスの連続。
いい本とのすれ違いがあれば、なかなか姿を現さない本もあり、
手にとって悩まされる単行本があるかと思うと、気がつけばいつの間にか
レジまで同行している文庫本もある。
先日も、頭の中でフランス国歌が流れているのにも関わらず、たまたま
視界に入ったタイトルが、みすず書房の『ビートルズとは何だったのか』
<フランス革命> → <音楽に革命を起こしたビートルズ>
<ラ・マルセイエーズ> → <愛こそはすべて♪>
という神経細胞の接続がこれまた一瞬にして成立してしまいました。
ビートルズの『愛こそはすべて(All You Need Is Love)』は、
1967年のヒット曲です。
何とイントロがフランス国歌「ラ・マルセイエーズ」で、曲のエンディングでは
「グリーンスリーブス」やビートルズ自身のヒット曲「シー・ラヴズ・ユー」や
「イエスタディ」がコラージュのように展開する面白いナンバー。
一説によると、イントロにフランス国歌を使ったのは、イギリスのヨーロッパ共同体
(EC)への加盟に反対するフランスを皮肉ったものだとか・・・?
1967年6月26日、初の衛星中継のライヴ番組「アワ・ワールド」の中で、
ビートルズが全世界に向けて演奏したのが、この曲でした。
折しも、1966年から67年にはベトナム戦争が激化し、67年には第3次中東戦争が
勃発、中国では水爆実験が成功。中ソ、米中の関係が悪化していた時期。
またアメリカでも、黒人暴動や反戦デモが激しく燃えさかっていました。
ビートルズが来日した1966年に、この世に生を受けた私。
いわゆるビートルズ世代よりもかなり年少ですが、偶然にもジョン=レノンが射殺された
1980年からなぜかビートルズを聴き始め、現在に至っています。
世界史の中のビートルズ、あるいは、音楽が世界を変えていった1960年代の
記憶が、私の遺伝子のどこかに潜んでいるのかな、と、ちょっと不思議な感覚も。
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