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トリノ五輪記念 ~その1 [リポート]

テレビのニュースや新聞は連日、トリノ・オリンピックの話題満載
です。雪国に住んでいるので、冬のオリンピックには特別な感情が
あり、メダル獲得だけでない、選手のドラマが私は気になります。

さて、トリノといえばイタリア北部の工業都市ですが、世界史の
教科書に登場するイタリアの都市は、ローマ、ヴェネツィア、フィレンツェ
が何といっても御三家でしょう。次がミラノあたりかな?
世界史ではトリノは、どちらかというと地味な都市ですね。

しかし、古代ローマ以来の都市=トリノにも歴史の脚光を浴びた瞬間が
ありました。ローマ帝国崩壊後、長く分裂・抗争を繰り返していたイタリアが
国民国家として初めて統一されたのが、1861年の2月のこと。
サルディニア王国が主導したイタリア統一戦争の後、サルディニアの首都
トリノに全イタリアの代表が集まって国会が開かれ、ヴィットーリオ=
エマヌエーレ2世が即位してイタリア王国が誕生しました。その後1865年
に首都がフィレンツェにうつるまで、トリノはイタリア王国の首都でした。
今でもトリノ市民はそのことに誇りを持っているとか・・・。

授業で、イタリアが長く分裂していた証拠としてサッカーの話をよくします。
世界最高のプロ・サッカー・リーグのひとつであるセリエAの試合は、
選手のプレー以上にサポーターの応援が過激です。観客席の発煙筒は
日常茶飯事で、火炎瓶がピッチに投げ込まれたりも(怖い!)。
それもそのはず、今でこそ同じ国ですが、約140年前までは隣国で敵対
関係であった都市も多いのです。日本でも戊辰戦争で戦った薩摩・長州
(鹿児島・山口)と会津がようやく最近和解したなんてニュースを数年前に
新聞で目にしました。スポーツも、歴史的背景が重要です。ちなみに
トリノはセリエAの名門ユベントスの本拠地でもあります。

オリンピックの開会式でも歌われたイタリアの国歌は、『イタリアの同胞』
です。もともとの詩はマメーリ(1827~49)が1847年に書き、後から
曲がつけられたのだとか。別な曲が歌われていたこともあったものの、
1946年に国歌として制定され現在に至っています。

フランス国歌の『ラ・マルセイエーズ』ほどではありませんが、国家のため
に命を捧げようという内容の歌詞で、19世紀のリソルジメント(イタリア
統一を目指す自由主義・民族主義の運動)の雰囲気が伝わってくる
かのようです。

オリンピック=平和の祭典のはずですが、どことなく国家や民族という
アイデンティティーが脈打つイベントでもあります。

新世紀ヨーロッパ国歌集 ~EU加盟15ケ国 ~

新世紀ヨーロッパ国歌集 ~EU加盟15ケ国 ~

  • アーティスト: タピオラ合唱団, カレリア・ブラス、弦楽四重奏団, ルネベル, パシウス, ポエッラェネン(カリ・アラ), メンドーサ, ケイウ, ド・リール, ディベック, ロジェ, カンペンハウト
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  • 発売日: 2000/05/24
  • メディア: CD


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